骨脆弱性を伴う重症心身障害児(者)に対する経口アレンドロネートの長期投与の検討

  • 岡本 侑子
    社会福祉法人 花ノ木医療福祉センター 医師 京都府立医科大学小児科学教室 医師
  • 松井 史裕
    社会福祉法人 花ノ木医療福祉センター 医師
  • 永井 秀之
    社会福祉法人 花ノ木医療福祉センター 医師
  • 神谷 康隆
    社会福祉法人 花ノ木医療福祉センター 医師
  • 寺田 直人
    社会福祉法人 花ノ木医療福祉センター 医師
  • 中島 久和
    京都府立医科大学小児科学教室 医師

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term administration of oral alendronate in patients with severe motor and intellectual disabilities with bone fragility.
  • ホネ ゼイジャクセイ オ トモナウ ジュウショウ シンシン ショウガイジ(モノ)ニ タイスル ケイコウ アレンドロネート ノ チョウキ トウヨ ノ ケントウ

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抄録

骨脆弱性を伴う重症心身障害児(者)5例に経口ビスホスホネート製剤であるアレンドロネートを72か月間使用し、その効果と安全性を検討した。臨床的には各症例で内服開始前後各72か月間に認めた骨折発生数を評価した。効果判定指標として尿中I 型コラーゲン架橋N-テロペプチド(以下、尿中NTX)、血清骨型アルカリフォスファターゼ(以下、血清BAP)、腰椎(L2-L4)骨密度および左大腿骨頸部骨密度を追跡した。一部の症例で、内服開始前後で骨折発生数の低下を認めた。腰椎骨密度、左大腿骨頸部骨密度は共に有意な変化を認めなかった。内服開始後6か月時点で尿中NTXは全例で最小有意変化率:27.3%を超える改善を認めたが、統計学的に有意差を認めるに至らなかった。血清BAPは観察期間中に有意な変化を認めなかった。観察期間中に1例に腎機能障害を認め内服を中止した一方で、内服後の頭部挙上を保つことにより消化管障害を予防できた。以上より重症心身障害児(者)に対してアレンドロネートは骨折予防効果を持つことが示唆された。

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