海面魚類養殖における新たな技術開発の取組み

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タイトル別名
  • 海面魚類養殖における新たな技術開発の取組み : 新魚種「マハタ」の養殖技術の開発を中心に
  • カイメンギョルイ ヨウショク ニ オケル アラタ ナ ギジュツ カイハツ ノ トリクミ : シン ギョシュ 「 マハタ 」 ノ ヨウショク ギジュツ ノ カイハツ オ チュウシン ニ
  • 新魚種「マハタ」の養殖技術の開発を中心に

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説明

<p>三重県の熊野灘沿岸域では,各湾でマダイを中心として魚類養殖業が営まれ,本県南部地域における重要な地場産業となっている。しかし近年では,飼料価格の高騰や魚病発生による生残率の低下により養殖魚の生産コストが上昇しているのに加え,主要魚種であるマダイの魚価は大きく変動しており,魚類養殖業者の経営状態は不安定で低迷している。そこで三重県では1996年から新たな養殖魚種としてマハタの種苗生産と養殖技術の開発に着手した。種苗生産技術では,親魚の安定確保に必要な性転換技術,ふ化仔魚の好適な飼育環境の解明と初期餌料の開発,ウイルス性神経壊死症(VNN)の発生防止技術を開発し,これにより優良種苗の安定生産が可能となった。これらの技術は三重県尾鷲栽培漁業センターに移転され,2009年以降は毎年30万尾前後の種苗が生産され,中間育成したのちに10万尾以上が魚類養殖業者に販売されている。また養殖技術では,成長の特性把握,給餌条件の解明のほか,マハタ養殖推進の大きなネックとなっていたVNNに対する有効なワクチンの開発に成功して,2012年にワクチンの製造販売承認がなされた。このような取り組みにより,三重県ではマハタの安定した養殖生産のための技術が実用化されている。</p>

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