地域社会と葬儀の互助組織―農村と町場の契約講の比較から―

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  • 大場 あや
    大正大学大学院文学研究科宗教学専攻博士後期課程/日本学術振興会特別研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Mutual Aid Associations for Funerals in a Local Community: A Comparison of Keiyaku-ko in Rural and Urban Areas
  • チイキ シャカイ ト ソウギ ノ ゴジョ ソシキ : ノウソン ト マチバ ノ ケイヤクコウ ノ ヒカク カラ

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説明

<p>契約講は、東北地方に広く分布する生活互助組織である。農山漁村をフィールドに様々な研究分野から成果が蓄積され、そこでは土葬の遂行にとりわけ重要な役割を果たす互助組織だと捉えられてきた。しかし、町場の火葬地域にも契約講は存在する。それは一体なぜなのか。本稿では、町場であり伝統的な火葬地域である山形県最上郡最上町向町の契約講を事例に、農村エリア(土葬地域)と比較することで、その組織原理を明らかにし、契約講結成の経緯と存在意義を考究する。農村エリアにおいて地主制が進行した大正・昭和初期に、町場エリアでは鉄道開設により移住者が急増し、混住化が進んだ。火葬用の藁の入手が困難な非農家住民らは、職業や居住年などを基準に、藁供出を主目的とした契約講を多数結成していたことが明らかとなった。こうした資源的事情と人口移動を背景に組織された任意の連合は、階層構造と密接に連関する形で併存し、当地の葬儀を支えていたのである。</p>

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 24 (0), 49-63, 2018-06-09

    「宗教と社会」学会

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