PNL+TULの標準化

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抄録

<p> 近年, 巨大な腎結石やサンゴ状結石に対する内視鏡治療の第一選択として, 経皮的砕石術 (PNL) と経尿道的砕石術 (TUL) を同時に行う治療 (PNL+TUL) が普及してきている. 腎結石に対するPNL+TULは, 2008年にScoffoneらによって開発された術式で, 欧米ではECIRS (Endoscopic combined intrarenal surgery) とも呼ばれている. 尿路結石症学会のまとめによると, 2017年度における本手術の件数は, 42施設590例 (72施設からの回答) と, PNL件数の約1/4を占め, その術式の標準化が急務である.</p><p> PNL+TULは, PNLの特徴である高い結石抽石率を活かすとともに, 軟性尿管鏡を用いたTULの広い操作範囲を組み合わせることにより, 硬性腎盂鏡を用いるPNLの欠点である操作範囲を克服し, 単一トラクトによる高い治療効果が達成できる手術である. その利点は, 尿管鏡補助下による確実な腎杯穿刺や, 灌流効率の向上による良好な視野の確保, 軟性尿管鏡を用いた抽石効率の向上が挙げられる. 一方, 2人の術者が同時に操作を行うため, その協調性が得られなければ, 内視鏡の破損や, 尿管へ砕石片の集積による治療効率の低下に繋がる. さらに過度の腎盂内圧上昇にともなう術後感染症や, 特徴的な体位 (修正Valdivia体位, 開脚腹臥位) に伴う合併症などのPNL単独治療とは異なる課題も多い.</p><p> 本稿では, Precisionな結石治療法の確立のため, 「PNL+TUL術式」の要点を説明するとともに, 合併症への対策を提示し, 安全・確実に行える術式の標準化について概説する.</p>

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