活性型プロトロンビン複合体製剤定期投与からemicizumab療法への移行が有効であったインヒビター陽性重症血友病A

  • 坂本 淳
    国立成育医療研究センター 教育研修センター
  • 中舘 尚也
    国立成育医療研究センター 血液内科
  • 渡辺 直樹
    板橋区医師会病院 小児科
  • 石黒 精
    国立成育医療研究センター 教育研修センター 国立成育医療研究センター 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment by switching from activated prothrombin complex concentrate to emicizumab therapy in a hemophilia A patient with inhibitors
  • 症例報告 活性型プロトロンビン複合体製剤定期投与からemicizumab療法への移行が有効であったインヒビター陽性重症血友病A
  • ショウレイ ホウコク カッセイガタ プロトロンビン フクゴウタイ セイザイ テイキ トウヨ カラ emicizumab リョウホウ エ ノ イコウ ガ ユウコウ デ アッタ インヒビター ヨウセイ ジュウショウ ケツユウビョウ A

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抄録

<p>重症血友病Aに対して遺伝子組み換え第VIII因子(rFVIII)製剤の出血時止血療法を受けていた7ヶ月男児が,頻回に嘔吐し,頭蓋内出血と診断された。止血のためにrFVIII製剤を投与後,高力価インヒビターが発生し(最大673 BU/ml),免疫寛容導入療法(FVIII製剤50 U/kg,週3回)とバイパス止血治療を行った。活性型プロトロンビン製剤(aPCC)50 U/kgを毎週または週に3回定期投与したが,出血予防に難渋し,年間出血回数(ABR)は5~13回を推移した。aPCCを中止した2週間後にemicizumabを開始した。1.5 mg/kg/週の定期投与では出血なく経過し,3 mg/kg/隔週に変更したところ,治療を要する関節内出血を1回認めたため,1.5 mg/kg/週に戻した。以降,ABRは1回まで改善し,学校行事も制限なく参加できるほど患児の生活の質は向上した。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (6), 617-620, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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