スパッタ薄膜HA インプラントの樹脂ブロックへの埋入トルクによるHA 膜密着強さ

  • 三嶋 直之
    医療法人柏葉会三嶋歯科医院 北日本口腔インプラント研究会
  • 藤森 達也
    東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学
  • 井田 有亮
    北海道医療大学歯学部生体材料工学
  • 三嶋 顕
    医療法人柏葉会三嶋歯科医院 北日本口腔インプラント研究会 北海道医療大学歯学部クラウンブリッジ・インプラント補綴
  • 越智 守生
    北海道医療大学歯学部クラウンブリッジ・インプラント補綴
  • 秦 美治
    山八歯材工業株式会社

書誌事項

タイトル別名
  • Bonding strength of thin HA film coated by a sputtering technique to titanium substrate by an insertion torque test into resin block
  • スパッタ ハクマク HA インプラント ノ ジュシ ブロック エ ノ マイニュウトルク ニ ヨル HAマク ミッチャク ツヨサ

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抄録

スパッタ法による薄膜HA層がチタン基材との密着性にすぐれていることは予想されていたが、具体的にどの程度の密着性を有しているか、これまでの研究では明らかではなかった。本研究では実際的な方法に基づき、樹脂模型にインプラントを高トルクで埋入したときの樹脂との摩擦によるHA膜の剥離の有無および膜厚変化を調べた。材料はミューワンHAインプラントSタイプを用いた。MMA樹脂ブロックに通法に従いドリリングを行い、直径の異なる埋入窩を形成したのち、そこにトルクメータを用いてインプラントを捩じ込み、埋入時に生じる摩擦によるHA膜の膜厚変化を測定した。膜厚測定は蛍光X線分析(EDX)を用い、ファンダメンタルパラメータ(FP)法により定量分析した。スパッタHA膜の膜厚は樹脂ブロック内への埋入前が1.8±0.15μm、埋入後は48Ncm、135Ncm及び140Ncmにおいてそれぞれ1.7±0.17μm、1.9±0.22μm及び1.9±0.15μmで、埋入前後で膜厚変化は認められなかった。また、顕微鏡観察においてもHA膜の剥離、脱落は認められなかった。この結果、スパッタHA薄膜は140Ncmの高トルクにおいても剥離、脱落等の劣化は起さなかったことから、スパッタ法により形成されたHA膜は臨床において剥離のリスクはほぼ回避されると考えられた。

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