成長速度と林分の発達を促進するダケカンバ二次林の施業方法

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タイトル別名
  • An alternative practice to enhance indivisual growth and stand development of a secondary birch forest.

抄録

<p>北海道においては、重機を用いた搔き起こしが、ササ地を対象とした天然更新補助作業として行われてきた。施工後は高い確率でカンバ林が成林するが、平均DBHが40年生で10cm程度と、先駆種であるカンバ類の成長ポテンシャルを十分に引き出せていない。また、多くの場合、下層にはササが再侵入し、カンバ類の単層林が成林するにとどまっている。この発表では、いったん剥いだ表層土壌を再度施工地に敷き戻す作業(表土戻し)の事例を紹介する。5年生時点で、ダケカンバの稚樹数・成長に及ぼす正の効果は明らかであった(胸高以上の稚樹数は通常0.2、表土戻し9.5本/m2;Aoyamaら 2009 JFR)。20年生時点で再測したところ、表土戻しでは平均DBHが8.2cmに達し(通常5.2cm)、10cmを超える個体が2000本/ha以上あった。また、通常施工地では林床のササの被覆率が80%であったのに対して、表土戻しでは3%で、より多様な樹種からなる、本数で2倍以上(4.7万本/ha)の稚樹層が形成されていた。このように、表土戻しは、①更新木の成長を著しく促す、②高木樹種の下層での再発達を促す作業方法といえる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201524608
  • NII論文ID
    130007880490
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_119
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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