オオシラビソ丸太におけるトドマツノキクイムシの繁殖様式

DOI
  • 高木 悦郎
    首都大学東京大学院都市環境科学研究科
  • 小林 憲太
    首都大学東京大学院都市環境科学研究科
  • 武井 進也
    首都大学東京大学院都市環境科学研究科
  • 大塚 大
    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
  • 小林 元
    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Reproduction of <i>Polygraphus proximus</i> in logs of <i>Abies mariesii</i>

抄録

<p>トドマツノキクイムシ(Polygraphus proximus)は,北海道から九州,朝鮮半島,シベリアにおいて,モミ属を加害する樹皮下キクイムシである.近年,シベリアモミ天然林(Baranchikov et al. 2010)や日本のシラビソ(Takagi et al. 2018)において枯損が発生,拡大している.また,最近,蔵王のオオシラビソ林で大きな被害をもたらしている.しかし,オオシラビソにおける繁殖様式は明らかになっていない.</p><p>そこで,穿入孔密度,穿孔成功率,産卵数,繁殖率(= 次世代成虫数 / 穿入孔数)等を明らかにするために,2018年春に,オオシラビソ丸太を,本州中部山岳地帯に設置,同年夏に回収,剥皮した.</p><p>平均穿入孔密度(±SD)は,394.2個 / m2(± 224.9個 m2)で,全ての穿入孔で繁殖が成功していた.平均繁殖率(±SD)は7.08(± 3.02)だった.繁殖率は,穿入孔密度が高くなるほど,有意に低下した(Kendall robust line fit, P < 0.01).また,89.5%(± 5.9%)の次世代成虫は,丸太内に残っていた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201552128
  • NII論文ID
    130007880534
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_193
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ