カリウムはコナラのセシウム吸収を抑制するか―非交換性カリウムに着目して

書誌事項

タイトル別名
  • Cesium uptake suppression of Konara oak using potassium - the effect of non-exchangeable potassium

説明

<p>交換性のカリウム(K)が多い土壌では植物によるセシウム(Cs)の吸収が抑えられることが知られているが,本研究では,しいたけの原木として利用されるコナラを対象に,非交換性のKがコナラのCs吸収に及ぼす影響を調べた。非交換性Kも抽出する手法として過酸化水素,熱硝酸,テトラフェニルホウ酸ナトリウム(TPB)の3通りの抽出を行ない,各K濃度と移行係数との関係を分析した。全国各地の自生実生とその根圏土壌の分析では,交換性K濃度よりもTPB抽出のK濃度の方が移行係数との負の相関が強く,TPBでよく抽出される鉱物層間の非交換性Kが実生のCs吸収に関与していると考えられた。3地点で採取した土壌にK添加をしたポット試験では,移行係数との相関の強さは交換性K濃度と3手法で抽出されたK濃度で大きく違わなかったが,交換性K濃度が同程度の時,火山灰土壌で栽培した実生よりも非火山灰土壌で栽培した実生の移行係数が低く,このとき非火山灰土壌では熱硝酸抽出のK濃度が高かった。非火山灰土壌は鉱物層間にKを保持する能力が高く,鉱物層間の非交換性Kが実生のCs吸収抑制に寄与していた可能性がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201600512
  • NII論文ID
    130007880608
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_322
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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