栃木県における大径材利用の抱える課題

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タイトル別名
  • Homework for expanding the use of the large roundwoods in Tochigi Prefecture

抄録

<p>本研究では、栃木県における大径材需要が増加しない原因として、製材工場の設備が大径材受け入れに不向きになっている点を明らかにした。「不向き」とは、正確には木材価格の低迷や節の多寡が重視されなくなる中で、素早く素材を挽く方向が目指され、結果として高い歩留まりを目指すことは後回しとされる加工体制となっていることを指す。</p><p>具体的には、ツインバンドソーによる一度挽きが中心となり、数度挽きによる有効利用に価値の源を求める大径材は必要とされづらくなっていた。併せてこのような環境の中で製材工場の大型化が進み、製材の量産を重視した機械の導入・生産ラインの構築が進められたことが、より大径材利用を控える動きに拍車をかけていた。</p><p>川中への支援事業が国策として推進される中、栃木県でも森林整備加速化事業以後において本格的に乾燥機の導入があり、それを契機として製材加工体制の刷新が図られ、その刷新は先述のように一度挽きを志向する形で行われた。結果として、現在大径材の需要先は見出しづらく、主伐が推進される中でこの点はより重要なトピックとなったといえる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201715328
  • NII論文ID
    130007880795
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_45
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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