樹木根系による史跡の破損

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タイトル別名
  • Damage of the historic site by tree root system.

抄録

<p>愛媛県内の史跡地内には、樹木が植栽あるいは飛来種子や鳥獣類によって運ばれた種子から発芽生育し、数多く生育している。これの樹木は史跡を景観面から支えている反面、根系が史跡そのものを破損させている箇所が数多く見られる。これらの破損は文化財の保存、活用に大きな障害となっているのは勿論であるが、防災・減災という視点からも大きな問題となっている。そこで、県内の史跡城跡で、樹木の石垣などに及ぼす実態調査を実施した。調査史跡地は、松山城、宇和島城、大洲城、旧等妙寺境内、永納山および能島城跡である。その結果、松山城、大洲城、宇和島城および旧等妙寺境内では、アラカシ、ツブラジイ、アベマキ、ケヤキ、クスなどの広葉樹やスギやヒノキなどの針葉樹の根系が高石垣の天端などの石垣裏に侵入し石垣を孕ませたり、壊していた。永納山では、中世の石垣が侵入した広葉樹の根系によって破損状態にあった。能島城跡では埋蔵遺跡がソメイヨシノの根系によって破壊されていた。このような史跡地では、文化財の活用や保存は勿論、石垣が崩壊すれば甚大な人的な被害も予測されることから、早急な対策を実施しなければならないことを指摘した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201822464
  • NII論文ID
    130007880942
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_547
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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