森林体験は教育たり得るのか?

DOI
  • 大石 康彦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所多摩森林科学園
  • 井上 真理子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所多摩森林科学園

書誌事項

タイトル別名
  • Is forest experience able to have a function of education?

抄録

<p> 森林教育を推進するためには、教育の目的の整理が重要である。森林教育の目的に関する論考では、森林と触れ、森林と親しむことを通じて(比屋根 2003)、森林との直接的な体験を通じて(井上・大石 2014)など、森林体験によってその目的が達せられるという考えが示されている。森林体験活動を通じた教育目標達成の確認(大石ら 2017)もされており、森林教育と森林体験の間に関係性があると考えられる。しかし、森林体験がなぜ森林教育の目的達成に役立つのかについては論じられていない。そこで、一定の教育目標を持って行われる自然体験活動の総称(文部科学省 1996)と捉えられる野外教育の理論を援用し、野外教育の目標(文部科学省 1996)および三大学習観点(小森 2010)に基づいて、森林体験がもつ教育的な意味を検討した。その結果、森林体験には、体験者と自然、体験者と他存在(指導者や仲間)、体験者と自分自身が関係する場面が内包され、それらが、自然に対する興味・関心の醸成、自然と人間の望ましい在り方の理解、自然体験活動の楽しさや技術の習得、自主性、協調性、社会性、創造力、忍耐力の育成などにつながる教育的意味を伴っていると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201876096
  • NII論文ID
    130007881023
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_70
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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