ヒノキ天然林における種子生産量と充実率の長期変動

DOI
  • 野口 麻穂子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 酒井 武
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
  • 相川 拓也
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 倉本 惠生
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
  • 大谷 達也
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所
  • 稲垣 善之
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所
  • 齋藤 智之
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 杉田 久志
    雪森研究所
  • 中島 和美
    林野庁中部森林管理局 木曽森林管理署
  • 高橋 利彦
    木工舎「ゆい」

書誌事項

タイトル別名
  • Long term temporal patterns of total and sound seed production in unmanaged old-growth <i>Chamaecyparis obtusa</i> forests

抄録

<p>気候の異なる2地域(暖温帯:高知県西部、冷温帯:長野県木曽地方)のヒノキ天然林を対象に、ヒノキの種子生産量と充実率の年変動を明らかにした。高知では25年間、木曽では6年もしくは10年間にわたるシードトラップの観測データを用いた。また、各年の充実率を求めるため、得られた種子の一部について軟X線写真を撮影し、正常な胚が認められる種子を充実種子とした。高知では種子生産量に著しい豊凶が認められ、期間中最大の豊作年には15000個m-2にのぼる種子が落下した。充実率は、種子生産量が多い年に高くなる傾向を示したが、大豊作年でも約30%にとどまり、並作年のうち低い年では2%であった。一方、木曽では、観測期間内に顕著な豊作はなかったが、充実率が30%を超える年が複数みられた。年変動のパターンには地域間で顕著な違いがあり、暖温帯の高知では限られた豊作年にのみ多数の充実種子が供給されるのに対し、冷温帯に位置する木曽では、少ないが比較的安定して充実種子が供給されていた。発表では、ヒノキの種子の充実率の低下をもたらす要因として、カメムシ類による吸汁被害および、タネバチ類による食害についても報告する。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201958912
  • NII論文ID
    130007881144
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_789
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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