アオモジ同齢個体群における雄と雌のサイズと空間分布

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タイトル別名
  • Size and spatial pattern of males and females in a cohort of a dioecious pioneer tree <i>Litsea cubeba</i>

抄録

<p> 鳥取県西部の広葉樹林皆伐地でアオモジ同齢個体群の樹高と花の性を継続調査した。アオモジは雌雄異株の先駆樹木である。皆伐の翌年に発生した実生個体群は、4年目に最初の着花が観察され、性比は雄に偏っていた。しかし5年目から7年目まで新たに着花した個体は雌が多く、7年目の性比は雌に偏った。性転換は観察されなかった。着花を開始する樹高は雄のほうが小さかった。着花を開始する前の樹高成長率は最初雄のほうが大きかったが、次第に雄のほうが小さくなった。</p><p> 個体群全体の初期分布は集中分布し、集中度は距離が小さいほど高かった。7年目では、小さい距離の集中度が下がり、集中斑が明瞭となった。雄は集中分布し、集中斑が示されたが、雌の集中度は低く、集中またはランダムであった。ランダムラベリングによりアオモジの分布の上で死亡個体との分布相関をみると、 雄は独立または同所的、雌は排他的であった。つまり、雌のまわりで死亡が少なく、相対的に雄のまわりで死亡が多かった。密度が高く競争が強い条件では雄である確率が高いことが考えられた。密度が高く競争が強い条件で、コストの低い雄として小さいサイズから着花することは競争と繁殖に有利だろう。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390003825201963520
  • NII論文ID
    130007881149
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_785
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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