シカ不嗜好性植物イワヒメワラビの芽を使用した短期間・大量増殖方法

書誌事項

タイトル別名
  • Use of buds for the short-term mass propagation of downy ground fern (<i>Hypolepis punctata</i>), an unpalatable plant for sika deer (<i>Cervus nippon</i>)
  • シカ フシコウセイ ショクブツ イワヒメワラビ ノ メ オ シヨウ シタ タンキカン ・ タイリョウ ゾウショク ホウホウ

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抄録

<p>近年,造林地はもとより道路法面や緑化斜面におけるシカの食害が問題となっており,シカの不嗜好性植物を使用した試験が実施されている。イワヒメワラビも不嗜好性植物の1つで,緑化の有効性が示されている。緑化のための苗増殖手法として胞子播種が報告されているが,胞子体の生育は遅く,得られる苗数も多くない。そこで,著者らは,同科ワラビ属ワラビの増殖で報告された手法に着目し,根茎に存在する芽を使用し,より短期間に大量の苗が増殖できるか試験を行った。また,生産したポット苗を使用した親株養成方法により,山林に自生する個体の根茎を掘取ることなく,効率的に増殖できるか調査した。その結果,出芽率,得苗率は6割を超え,得られた苗数は計325個と多数で,本増殖手法は苗生産に十分使用可能であると考えられた。さらに,作成した苗は展葉2ヶ月後には定植でき翌春の増殖に使用可能であるため,育成期間を大きく短縮できることが示された。加えて,作成した苗を使用し親株を養成することで植栽苗の20~30倍の芽数を得ることができ,苗生産にかかる労働力は大幅に軽減され,効率的に苗の生産が可能であることが明らかとなった。</p>

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