中部地方に生育するスギの年輪構造と気候要素との関係

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Climate Factors on the Tree-ring Structure of <i>Cryptomeria japonica</i> in Central Japan
  • チュウブ チホウ ニ セイイク スル スギ ノ ネンリン コウゾウ ト キコウ ヨウソ ト ノ カンケイ

この論文をさがす

抄録

<p>中部地方におけるスギの年輪構造に及ぼす気候要素の影響を明らかにした。岐阜大学高山試験地常緑針葉樹林内の33個体のスギ造林木からコア試料を採取した。軟X線デンシトメトリーによって年輪幅,年輪内平均密度,早材幅,晩材幅,早材密度,晩材密度を測定し,年輪幅と年輪内平均密度の積から年輪重量成長量を算出した。それぞれの年輪要素について生育地を代表する時系列であるクロノロジーを構築した。各クロノロジー間およびクロノロジーと気候要素の間について,単相関分析を行った。早材幅は年輪幅および年輪重量成長量と有意な正の相関を示した。さらに,早材幅は当年3~4月の気温と有意な正の相関を示した。これらの結果から,早材幅は年輪幅と年輪重量成長量の変動を規定する重要な要素であることが示された。形成層活動開始前の春の前半の気温上昇が早材幅を増加させ,その結果として年輪幅と年輪重量成長量が増加することが示唆される。</p>

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 66 (3), 117-127, 2020-07-25

    一般社団法人 日本木材学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (27)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ