ナノ光学顕微鏡

書誌事項

タイトル別名
  • Nanoscale Optical Microscopy:
  • 最新評価分析講座(第3講)ナノ光学顕微鏡 : TERSによるナノ局所分析
  • サイシン ヒョウカ ブンセキ コウザ(ダイ3コウ)ナノ コウガク ケンビキョウ : TERS ニ ヨル ナノ キョクショ ブンセキ
  • Nanospectroscopy by TERS
  • ~TERSによるナノ局所分析~

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抄録

<p>ナノスケールでの物質の詳細な色情報を分析し,物質を構成する分子構造を解析できる手法として,先端増強ラマン散乱(TERS:Tip-enhanced Raman scattering)を紹介する。光の回折限界を超えた高い空間分解能で物質の色を観ることは,光学顕微鏡の分野における夢の一つであり,TERSでは,プラズモンと呼ばれる金属中での電子の集団振動を利用することで生じる近接場光を用い実現している。具体的には,光の波長よりも十分に微小な金属構造体(直径20~30 nm程度)に,光照射をすることでプラズモンを励起する。その金属構造体周辺に局在化し生じる増強電場をラマン分光の励起光源とすることで,きわめて明るく高感度かつ空間分解能としては,増強電場のサイズ,すなわち金属構造体サイズ程度(~20 nm)を達成できる。最新の成果では,TERSは常温大気圧環境下だけでなく,液中環境や超高真空極低温環境下でも可能となってきており,サブナノメートルの空間分解能および単一分子感度も達成されつつある。用途に応じた環境下でのナノ局所分析が可能になってきている。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 93 (7), 219-225, 2020-07-20

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (1)*注記

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