急性期大学病院における入院患者の心理特徴に基づく転倒と関連因子について

  • 射塲 靖弘
    鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション部
  • 松本 浩実
    川崎医療福祉大学リハビリテーション学科
  • 米山 久美子
    鳥取大学医学部附属病院看護部
  • 尾﨑 まり
    鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション部 鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション科
  • 萩野 浩
    鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション部 鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション科 鳥取大学医学部保健学科

書誌事項

タイトル別名
  • Study of the Fall due to Psychological Characteristics of Inpatients and Its Related Factors in the Acute University Hospital
  • 急性期大学病院における入院患者の心理特徴に基づく転倒と関連因子について : インシデントレポートに基づく横断研究
  • キュウセイキ ダイガク ビョウイン ニ オケル ニュウイン カンジャ ノ シンリ トクチョウ ニ モトズク テントウ ト カンレン インシ ニ ツイテ : インシデントレポート ニ モトズク オウダン ケンキュウ
  • Cross-Sectional Study Based on the Incident Report
  • インシデントレポートに基づく横断研究

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抄録

<p>【目的】本研究の目的は,急性期大学病院入院患者における心理特徴に基づく転倒について調査し,その転倒関連因子を明らかにすることである。</p><p>【方法】研究対象は,2015年4月から2016年3月において鳥取大学医学部附属病院(以下当院)で発生した転倒インシデントレポート451件中,外来患者の転倒10件および親が同伴していた小学生以下の患者による転倒11件を除いた430件とした。対象者の基本属性,消灯時転倒の有無,主診療科,転倒要因,転倒発生に至った姿勢・動作,インシデント影響度分類における3b事例以上の有無を調査した。転倒要因のうち,入院患者の心理特徴に基づく転倒を入院患者の心理特徴に基づく転倒群,その他のものをその他の要因による転倒群として群分けし,群間比較のためにMann-WhitneyのU検定,χ2検定を行った。群間比較にて差のあった変数を独立変数(p <0.1),入院患者の心理特徴の有無を従属変数として,二項ロジスティック回帰分析を実施し,入院患者の心理特徴に基づく転倒関連因子を抽出した。</p><p>【結果】入院患者の心理特徴に基づく転倒は83/430件(19.3%)であった。入院患者の心理特徴に基づく転倒は6分類され,自分でできるという思い,遠慮,拒否,焦り,意欲の高さ,恥ずかしさの順に多かった。さらに,入院患者の心理特徴に基づく転倒群は,泌尿器科入院,下肢・体幹運動機能低下において,その他の要因による転倒群に比べ割合が高かった。一方で,形成外科入院,認知・精神機能低下,人的環境要因,起き上がり動作時の転倒においては入院患者の心理特徴に基づく転倒群に比べ,その他の要因による転倒群の割合が高かった。年齢,性別で調整した二項ロジスティック回帰分析では,泌尿器科入院(OR;7.058,95% CI:1.128-44.158),下肢・体幹運動機能低下(OR;1.716,95% CI:1.031-2.855),認知・精神機能低下(OR;0.305,95% CI:0.149-0.625),人的環境要因(OR;0.446,95% CI: 0.263-0.754)が入院患者の心理特徴に基づく転倒に関連する因子として抽出された。</p><p>【結論】泌尿器科患者,下肢・体幹運動機能低下,認知・精神機能低下,人的環境要因が入院患者の心理特徴に基づ く転倒関連因子であった。</p>

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