─家庭紙と共に三世代─

  • 石川 聡
    株式会社日新化学研究所 第一開発部

書誌事項

タイトル別名
  • ―Three Periods with Household Paper―
  • 家庭紙と共に三世代 令和新時代へ続く家庭紙生産性向上への先駆的ケミカルアプローチ
  • カテイシ ト トモニ サン セダイ レイワ シン ジダイ エ ツズク カテイシ セイサンセイ コウジョウ エ ノ センクテキ ケミカルアプローチ
  • Leading Chemical Approach to Improve Productivity in Paper Mills toward the New Reiwa Era
  • 令和新時代へ続く家庭紙生産性向上への先駆的ケミカルアプローチ

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説明

<p>近年,中国のミックス古紙輸入の制限による良質な古紙流通量の減少,アカシヤ等の植林木利用率増加などに起因し,粘着物によるピッチトラブルは増加傾向にある。これは,安定操業・品質向上を目指す製紙技術者にとって悩ましい課題の一つとなっている。</p><p>家庭紙工場におけるピッチトラブルは,紙の生産性を損ない,操業性の悪化につながり,そして紙の品質低下を引き起こす。例えば,DIP工程フローテーションにおいて効率よく粘着物の除去が出来なければパルプ品質を損なう可能性がある。また,KP工程における洗浄工程にて効率よくパルプ由来のピッチを洗浄出来なければ,漂白薬品の増加,抄紙工程でのトラブルを誘引する可能性がある。さらに原質工程において除去出来なかった場合,ピッチが抄紙工程に持ち込まれれば,ピッチに起因する欠点の頻発,断紙など操業性悪化に繋がる。</p><p>弊社では,ピッチトラブルの解決手段として,原質工程におけるピッチ対策を最も重要と捉えており,その上で,抄紙工程において局所的かつ必要に応じたピッチ対策を施すことが品質向上,生産性向上へ繋がると考えている。</p><p>本稿では,家庭紙工場における生産性向上,特にピッチトラブル改善に関する弊社の取り組みについて述べる。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (5), 446-452, 2020

    紙パルプ技術協会

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