視線および聴覚刺激による身体傾斜方向と注意の関連
書誌事項
- タイトル別名
-
- Relationship between Directions of Postural Sway and Attention Induced by Auditory Stimulation
説明
<p>直立しているヒトの頸背部に振動刺激を与えた場合の身体動揺は、視線や聴覚刺激の方向に生じる。その身体傾斜方向は、被験者によって影響の程度が異なることが報告されている。しかし、その理由に不明確な点が多い。そこで我々のグループでは、視線による身体傾斜と聴覚刺激によって起きた身体傾斜が関連しているかを調べた。その結果、両者に有意な相関がみられた。これは、異種の感覚刺激による影響に共通な処理メカニズムが関与していることを示唆している。この共通なメカニズムは、2つの感覚情報が統合される部分より上位に存在する可能性が高いと考えられる。そこで本研究では、これには注意の向いている方向が関係していると考えた。注意については、錯視の実験を用いて解析されている。錯視を用いた注意の実験では、左右いずれかに現れた光点に続いて直線が一瞬で提示されたとき、光点の方向から直線が伸びるように錯覚する。これは、注意が光点に引き付けられたために、脳内の運動検出器が、直線の光点側をいち早く検出したためである。本研究では、左右の光点の代わりに音刺激の後、直線の見え方を確認した。その結果、音源方向から描画されると答える被験者が多かった。これらの結果から、注意は音源によっても引き寄せられ、視線や聴覚によって意識が向いている方向、つまり注意の向いている方向に身体傾斜が起きる可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
-
- 生体医工学
-
生体医工学 Annual58 (Abstract), 328-328, 2020
公益社団法人 日本生体医工学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390003825204254848
-
- NII論文ID
- 130007885022
-
- ISSN
- 18814379
- 1347443X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可