重症児と家族を支える在宅看護の未来を考える
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- 濵田 裕子
- 九州大学大学院医学研究院
抄録
医療依存度の高い小児は、成長・発達の途上にあり機能的に未熟であること、先天性疾患や希少難病が多く、標準的ケアでは対応できないこと、成長・発達に応じてケア内容を見直す必要があるなど、ケアの難しさがある。 本シンポジウムでは、在宅重症心身障がい児(以下、重症児)と家族が、医療的ケアが必要でも、日常の生活を当たり前に過ごせることを目指して、『重度障がい児と家族の生活世界を広げる支援』を考えることにした。重症児が家族とともに家で生活し、その子なりに成長・発達していくためには、重症児の体調の変化に合わせた、多様なサービスが必要であり、一方で、在宅ケアを担う家族のレスパイトの必要性も指摘されている。しかし、年少の人工呼吸器装着児などは、移動に大きな負担がかかり、身体的に変化を起こしやすいため、短期入所施設の利用が難しいケースもあり、「在宅レスパイト」という考え方も必要となる。また、医療的ケアを受けながら生活世界を広げるための外出支援など、重症児の在宅療養支援には、ケアを担う家族を含めた総合的支援が必要と考える。医療依存度の高い重症児の場合、特にその役割を担っているのは訪問看護ステーションであるが、その多くは成人・老年を対象としており、現状について十分にわかっているとは言えない。 そこで4人のシンポジストには、最初に部谷知佐恵氏に、身近で経験した「子どもの代理意思決定をする親の苦悩」について、次に市川百香里氏に、家族支援専門看護師としての活動から「家族をエンパワーメントするネットワークづくりと相談支援」について、遠渡絹代氏には平成27年度プロジェクト調査結果「訪問看護における重症児ケアの特徴と課題」について、最後にプロジェクトリーダーの泊祐子氏から「重症心身障がい児と家族の支援における課題解決に向けた方略の検討」について話題提供してもらい、参加者とともに議論した。 プロジェクトメンバー 泊祐子,赤羽根章子,市川百香里,遠渡絹代,部谷知佐恵,岡田摩理,叶谷由佳,濵田裕子,山﨑歩 なお、本プロジェクトは、日本看護研究学会 看護保険連合ワーキンググループとして行っている。
収録刊行物
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- 日本重症心身障害学会誌
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日本重症心身障害学会誌 43 (1), 45-45, 2018
日本重症心身障害学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390003825204670336
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- NII論文ID
- 130007850344
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- ISSN
- 24337307
- 13431439
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可