後縦隔に発生し,神経原性腫瘍と鑑別が困難であった気管支原性囊胞の1例

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  • Bronchogenic Cyst in the Posterior Mediastinum: a Case That Was Difficult to Differentiate from a Neurogenic Tumor

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抄録

<p>背景.気管支原性囊胞は一般的に中縦隔での発生が多く,後縦隔に発生することは比較的まれである.神経原性腫瘍との鑑別を要した後縦隔発生気管支原性囊胞の1例を報告する.症例.40歳,男性.健診の胸部CTで下行大動脈背側に3.1 cm大の境界明瞭で内部均一な腫瘤影が認められたため,当院に紹介された.4D-CTでは,腫瘤は胸壁に固定されていたため,臓側胸膜や肺原発の腫瘍は否定的で,後縦隔発生の神経原性腫瘍が疑われた.診断と治療を目的に,胸腔鏡下腫瘤摘出術を施行した.病変は交感神経幹近傍に存在しており,周囲との癒着はなく容易に切除可能であった.病変内部に粘液が充満している囊胞性病変であった.囊胞は線毛上皮に裏打ちされ,壁内に気管支軟骨や気管支腺の存在が認められた.病理診断は気管支原性囊胞であった.結論.後縦隔腫瘍においては,気管支原性囊胞も鑑別診断に挙げる必要があると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (4), 327-330, 2020-07-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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