下咽頭頸部食道癌の切除と再建

  • 四宮 弘隆
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 川口 了子
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 手島 正則
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 蓼原 瞬
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 入谷 啓介
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 古川 達也
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 大月 直樹
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 丹生 健一
    神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Operative Approach for Cervical Esophageal Cancer
  • 下咽頭頸部食道癌の切除と再建 : 頸部食道癌の手術的アプローチ
  • カイントウケイブ ショクドウ ガン ノ セツジョ ト サイケン : ケイブ ショクドウ ガン ノ シュジュツテキ アプローチ
  • ─頸部食道癌の手術的アプローチ─

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説明

<p>頸部食道癌は希少疾患であり,全食道癌の中の約5%程度とされる。その希少性と部位的な特徴から,治療方針は施設によりさまざまで,標準治療の構築が難しい。特にQOLに直結する喉頭機能温存や手術侵襲に関連する食道全摘の適応については十分吟味する必要がある。そういった中で,近年導入化学(放射線)治療や根治的化学放射線治療(CRT)で進行癌に対しても治療成績の向上とともに喉頭温存を目指す治療がなされ,比較的良好な治療成績が報告されてきている。放射線や化学療法の強度を調節することで,高い治癒率と有害事象のコントロールが実現できる可能性がある。今後手術の役割は導入治療不応例への根治的手術や,根治的CRT後のサルベージ手術にさらにシフトする可能性がある。ただし頸部食道癌の手術は大きな侵襲を伴い,致死的な合併症も起こりうる手術であり,その合併症のコントロールが重要となる。喉頭温存手術については適応を十分吟味し,術後の誤嚥を起こさない工夫が必要となる。また特に放射線治療後の手術では気管壊死や術野感染症,縫合不全といった重篤な合併症が起こらぬような工夫が重要で今後さらに放射線治療後の合併症対策の重要性が増すと考えられる。</p>

収録刊行物

参考文献 (18)*注記

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