産業医科大学におけるエコチル調査の成果

  • 辻 真弓
    産業医科大学 医学部 衛生学講座
  • 田中 里枝
    産業医科大学 医学部 衛生学講座
  • 下野 昌幸
    エコチル調査産業医科大学サブユニットセンター
  • 菅 礼子
    エコチル調査産業医科大学サブユニットセンター
  • 楠原 浩一
    産業医科大学 医学部 小児科学講座
  • 吉野 潔
    産業医科大学 医学部 産婦人科学講座
  • 柴田 英治
    産業医科大学 医学部 産婦人科学講座
  • 阿南 あゆみ
    産業医科大学 産業保健学部 看護学科 成人・老年看護学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Japan Environment Health and Children’s Study Publications from the University of Occupational and Environmental Health, Japan
  • サンギョウ イカ ダイガク ニ オケル エコチル チョウサ ノ セイカ

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説明

<p>子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)は,赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで,定期的に健康状態を確認し,環境要因が父母の健康や子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的としている.産業医科大学では 医学部 小児科,産婦人科,衛生学,産業保健学部が連携し,エコチル調査参加者を対象とした当大学独自の疫学研究も行っている.本稿では現在までに発表されたエコチル調査の成果を紹介する.これまでに環境保健,産業保健,母子保健の各領域に関する研究成果が発表されている.環境保健領域では,妊婦の血液中重金属濃度と早産,前置胎盤・癒着胎盤や特異的IgE抗体との関係についての研究成果が発表されている.産業保健領域では,職業の違いによる栄養素摂取状況,労働因子と食行動の関係,出産前の職種・就業形態が出産前後の就業継続に与える影響,妊婦の就労とストレスの関係についての研究成果が発表されている.母子保健領域では,妊娠中の睡眠時間と妊娠糖尿病発症リスクの関連性,6ヶ月時の運動発達遅延の有無と3歳までの発達の関係についての研究成果が発表されている.臨床医学・基礎医学・産業保健学の各分野が連携することで,エコチル調査を核とした疫学研究の更なる継続と発展,ならびに疫学と実験研究との融合によるエビデンスの構築と発信が望まれる.</p>

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 42 (3), 275-279, 2020-09-01

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (7)*注記

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