がん免疫療法に伴うサイトカイン放出症候群リスクの非臨床研究
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- 三島 雅之
- 中外製薬
書誌事項
- タイトル別名
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- Nonclinical studies on CRS risk with cancer immunotherapy
説明
<p>免疫チェックポイント阻害抗体、2重特異性T細胞誘導抗体、および遺伝子導入T細胞を用いるがん免疫療法は、従来のがん治療では得られなかった治療効果をもたらした。現在、これらの技術を応用した様々な医薬品の開発に大きな力がそそがれている。これらの治療法は画期的な薬効をもたらすと同時に、重篤な有害事象を引き起こす。共通して最も頻繁に発生する有害事象が、サイトカイン放出症候群(CRS)である。CRSは過度に活性化した免疫細胞から放出された多量のサイトカインによって、発熱、頭痛、嘔吐、呼吸困難、血圧低下、多臓器不全を引き起こし、時に死に至るもので、臨床においてたびたび用量規制の原因になる。CRSのコントロールは、がん免疫療法を効果的に実施するための重要な要素である。抗ガン免疫を担う細胞の活性化はサイトカイン産生を伴うことから、がん免疫療法においてサイトカイン産生を完全に抑制することはできないと考えられる。しかしながら、非臨床機序研究から、抗がん免疫を活性化しつつCRSの重症化を押さえることができる可能性が見出されつつある。ここでは、CRSの非臨床研究で何が見えてきたのか、どうやってCRSをコントロールできる可能性があるのかについて論じる。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 47.1 (0), S3-1-, 2020
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390004222615131648
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- NII論文ID
- 130007898648
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可