女性たちのジェンダー規範と仕事の空間

DOI
  • 鈴木 亜望
    著者所属: 神戸大学大学院国際文化学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Gender norms and work spaces for women :
  • A case study of a handicraft studio in Dhaka, Bangladesh
  • ―バングラデシュの首都ダカにおける手工芸品工房の事例から―

抄録

<p>バングラデシュの女性は、ジェンダー規範により公的空間から隔離された存在だった。しかし、開発援助と縫製産業により、女性たちが外に出る機会が急増し、パルダ規範といったジェンダー規範や活動と空間を巡って様々な議論が生じている。本稿では、首都ダカの手工芸品生産工房を対象とし、女性たちがいかに仕事と空間を意味づけているかを、活動領域と行動範囲に関して議論する。前者では、女性たちは賃金労働を家との関係でとらえ、男性が一家の稼ぎ手であるという規範を維持しようとする。後者では、女性たちは縫製工場や家と対比して、工房を「女性たちの場所」と意味づける。女性の物理的な行動範囲は拡大しているが、それは賃金労働の場に、女性性を付与し、安全な場所と表象することによって可能にしている。ジェンダー規範は近代的なイデオロギーと対立しているように見えるが、女性たちはそれを読み換えて、より良い生活を獲得しようと実践している。</p>

収録刊行物

  • 南アジア研究

    南アジア研究 2018 (30), 6-35, 2020-03-31

    日本南アジア学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390004222619084544
  • NII論文ID
    130007904111
  • DOI
    10.11384/jjasas.2018.6
  • ISSN
    21852146
    09155643
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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