看護師の初期キャリア発達における組織コミットメントの変容

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  • Transformation of Organizational Commitment During the Early Career Development of Nurses

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抄録

<p>本研究の目的は,新卒看護師における入職3年間の組織コミットメントの変化と,個人の自己効力感,ローカス・オブ・コントロールとの関連を明らかにすることである。関東甲信越地方8病院に勤務する329名の看護師を対象として,縦断的手法を用いて入職後3年間(1年に1回)に,組織コミットメント,個人の一般的自己効力感,ローカス・オブ・コントロールを設定した質問紙調査を実施した。その結果,1年目から3年目にかけて,自己効力感得点は上昇傾向にあり,ローカス・オブ・コントロール得点は有意に低下(p<.001)していた。これは入職3年間で,自信や確信は強化される傾向にあるものの,判断の基準が内的な要因による傾向が弱まっていることが考えられた。また組織コミットメント得点は,1年目から2年目,2年目から3年目と有意に低下(p<.001)しており,入職3年間で徐々に組織との一体感を低下させていることが明らかとなった。さらに組織コミットメント得点の高い群は低い群と比較して,3年間の各年で自己効力感得点が高い(p<.001)ことが明らかとなった。このことから自信や確信を強化し維持していくことが,初期キャリア発達上特に組織適応において重要であることが示唆された。</p>

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