-
- 仲尾次 洋子
- 名桜大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Formulation of Accounting Standards for SMEs in Taiwan
- タイワン ニ オケル チュウショウ キギョウ ムケ カイケイ キジュン ノ コウチク
この論文をさがす
説明
<p> 本稿は,多数の日本企業が台湾進出している現状を鑑み,台湾における中小企業会計制度の現状について,企業会計基準を中心に考察するものである。</p> <p> 台湾においては,公開企業と非公開企業とで適用基準が異なることから,形式的にはダブルスタンダードを採用するものの,IFRS または中小企業版IFRS をベースとしていることから,実質的にはシングルスタンダードと捉えることもできる。このような動向の背景には,公開企業および株式公開が想定される非公開企業のニーズの考慮,会計教育や国家試験の一貫性等の国内問題に加え,すべての企業に一貫してIFRS ベースの会計基準を適用することにより,台湾の会計制度が整備されていることを対外的にアピールする目的もあるだろう。</p> <p> 一方,中小企業の財務諸表作成コストを軽減する目的として,企業会計基準は,従前の財務会計基準を大幅に削減し,内容的にも,中小企業に関連性の乏しい論点や負担が大きい会計処理については,適用除外や特別な配慮がなされていた。中小企業を対象とした新たな会計制度は,2016 年1月1日以降の会計年度から適用されたため,これらの会計法令および企業会計基準が台湾中小企業にどのような影響を与えるのか,適用プロセスにおける課題をどのように克服するのかについて注目したい。</p>
収録刊行物
-
- 中小企業会計研究
-
中小企業会計研究 2017 (3), 2-12, 2017
中小企業会計学会