活動量センサを用いた肉用牛発情検知と人工授精成績

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  • Attempt of the estrus detection and artificial insemination by the commertial accerelometer in beef cattle

抄録

<p>【背景】近年,牛の発情徴候の微弱化や経営規模の大規模化による発情検出率の低下が,繁殖率の低下につながっており,市販の発情検出デバイスが使用されている。しかし,デバイスによる発情検出率や人工授精(AI)成績に関する日本国内の報告は少ない。そこで市販の活動量センサとその発情検出アルゴリズムを利用し,交雑種ならびに黒毛和種における発情検出の検討を行った。【方法】実験1:活動量センサを装着したホルスタイン-黒毛和種の交雑種(F1)9頭で乳牛用アルゴリズムを利用して発情検出と持続時間の算出を2018年5–10月に行った。発情警報が出た個体の発情正否を直腸検査にて確認し,感度と陽性的中率を算出した。実験2:活動量センサを装着した黒毛和種20頭は肉牛用アルゴリズムにより発情検出と持続時間の算出を行った。発情警報が出た個体は直腸検査を実施し,正常発情牛にAIを実施した。試験は2019年7–9月,2020年1–2月に実施し,40日後に妊娠鑑定を行った。【結果】実験1:F1で延べ143回の発情警報が検出され,感度は45.5%であった。誤報と比較し,発情持続時間は真の発情で有意に長かった(16.9 h vs 11.3 h, P<0.05)。誤報の6割は同居牛の発情による影響であった。真の発情の陽性的中率は78.3%(65/83回)であった。実験2:黒毛和種での感度及び陽性的中率は夏季83.3%, 64.8%,冬季77.8%, 77.8%であった。延べAI回数は夏季冬季とも17回であり,うち13回で発情検出警報が得られた。受胎率は季節(52.9%, 47.1%),また警報有無(50.0%, 46.2%)ともに差はなかった。以上より,F1においては乳牛用アルゴリズムではなく肉牛用アルゴリズムが適している可能性と同居牛の影響による誤検知を減らす必要があることが示唆された。また活動量計による発情検出を基準にしたAIで問題なく受胎することが示された。本課題は生研センター革新的技術開発・緊急展開事業にて実施された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390004222634712704
  • NII論文ID
    130007925809
  • DOI
    10.14882/jrds.113.0_p-79
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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