地震発生時の鉄道運行計画の国際規格開発とISO 22888

  • 津野 靖士
    (公財)鉄道総合技術研究所 鉄道地震工学研究センター (公財)鉄道総合技術研究所 鉄道国際規格センター
  • 山本 俊六
    (公財)鉄道総合技術研究所 鉄道地震工学研究センター
  • 佐藤 新二
    (公財)鉄道総合技術研究所 事業推進部 地震防災システム
  • 野田 俊太
    (公財)鉄道総合技術研究所 鉄道地震工学研究センター
  • 佐溝 昌彦
    (公財)鉄道総合技術研究所 事業推進部 地震防災システム
  • 関 清隆
    (公財)鉄道総合技術研究所 鉄道国際規格センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of international standard of the planning of railway operation in the event of earthquakes and ISO 22888
  • ジシン ハッセイジ ノ テツドウ ウンコウ ケイカク ノ コクサイ キカク カイハツ ト ISO 22888

この論文をさがす

抄録

<p>国内外の多くの鉄道において,人の手を介する地震時運転規制や自動化された地震防災システム・早期地震警報システムが導入されており,地震が発生した際はそれら規制やシステムによって鉄道の安全性と安定性を確保してきた。一方で,それら規制やシステムを運用する際には,各鉄道事業者は独自の運行計画に特化した運用方法を採用しており,日本国内においても統一された指針や仕様書はなく,国際的にも共通されたガイドラインは存在していなかった。そのため,地震の発生が懸念される国や地域に対して,品質が確保されたガイドラインを作成することが強く要求され,地震による顧客被災リスクを低減すること,また列車運行のダウンタイムを短縮することを目的に,鉄道の安全性と安定性を確保する鉄道運行計画の国際規格が開発された。</p><p>本解説では,初めに,鉄道分野の国際規格における開発プロセスを概説した後,地震発生時の鉄道運行計画の国際規格開発について説明する。その開発された国際規格ISO 22888:2020“Railway applications - Concepts and basic requirements for the planning of railway operation in the event of earthquakes(鉄道分野-地震発生時の鉄道運行計画の概念と基本要求事項)”は国際的に共通化された新しいガイドラインであり,規定した概念と基本要求事項を遵守することにより,品質が確保された地震発生時の鉄道運行計画が実行されることが期待される。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 73 (0), 218-224, 2020

    社団法人 物理探査学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ