UAV画像の教師あり判別に基づくクズ群落の検出と空間占有の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Detection and spatial occupancy evaluation of kudzu community based on supervised classification of UAV imagery
  • UAV ガゾウ ノ キョウシ アリ ハンベツ ニ モトズク クズ グンラク ノ ケンシュツ ト クウカン センユウ ノ ヒョウカ

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抄録

<p>無人航空機(unmanned aerial vehicle: UAV)は植物群落の面的データを経時的に取得でき,植生モニタリングへの活用が期待される。本研究では教師あり学習を用いてUAV画像からクズ(Pueraria lobata (Willd.) Ohwi)を抽出し,夏季におけるクズ群落の空間占有の推移を評価した。2018年6~10月に5回,河川敷の群落のRGB画像を対地上高50 mから撮影し,オルソモザイク画像を50 cm × 50 cmグリッドに分割した。RGB各バンドの輝度値に基づきサポートベクトルマシンによってグリッドごとのクズの在・不在を判別したところ,クズの葉群展開初期にあたる6月では判別できなかったが,群落表層がクズに被覆された7月以降には全グリッドの5%を教師データにすることで正解率が0.9以上,F値が0.9以上となった。判別結果から期間ごとの群落周縁部の拡大速度を移住確率と距離との関係を表す移住カーネル関数によって評価したところ,7月下旬の除草作業で地上部が取り除かれた範囲で,その後の養分貯蔵期に0.0574 m/dayという特に高い値を示した。除草後に残った越年茎や株からのシュートの発生によって,群落が速やかに除草前の範囲を回復したと考えられた。以上から,UAVで経時的に撮影した画像が雑草群落動態の評価に有用であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 雑草研究

    雑草研究 65 (3), 95-102, 2020

    日本雑草学会

参考文献 (16)*注記

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