ベニズワイガニかご漁業の漁場利用と資源動向

  • 養松 郁子
    水産総合研究センター 日本海区水産研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Baited Crab Pot Fishery for Beni-zuwai Crab
  • ベニズワイガニカゴギョギョウ ノ ギョジョウ リヨウ ト シゲン ドウコウ
  • Distribution Pattern, and Fishing Effort and Fluctuation in the Resource Level

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抄録

<p>ベニズワイガニ籠漁業は日本海に特徴的な漁業のひとつである。ベニズワイガニ漁業には大臣許可と知事許可の2つがあり,これらは漁場によって区別される。この二つの漁業では,漁船の規模,漁場までの距離,水揚げ後の流通形態,市場単価が異なっている。</p><p>努力量と資源水準との関係を明らかにすることを目的として,大臣許可漁業における漁獲努力量(籠数)の分布状況およびCPUE(1籠あたり漁獲量)を指標とした資源水準の経年変化を解析した。1999年に日韓暫定水域が制定される以前は努力量と資源水準との間には負の相関が認められたが,1999年以降は,暫定水域外では負の相関が認められたものの,暫定水域内では逆に正の相関が認められた。このことから,暫定水域内において,日本船による努力量の増加以上に,韓国漁船による努力量が減少した可能性が考えられる。努力量とCPUE値との間の負の相関関係を利用して,CPUE値を指標とする漁場ごとの努力量管理(どこへどれだけの籠を投入するか)という考え方は,ベニズワイガニの資源水準を著しく落とすことなく漁業を持続させるための,重要な視点のひとつであると考えられる。</p>

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