当院における好酸球性食道炎の臨床像・内視鏡所見の検討および胃がん検診時の対応について

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  • Examination of clinical and endoscopic findings of eosinophilic esophagitis in our hospital and correspondence at the time of endoscopic screening of gastric cancer in population-based screening

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抄録

<p>好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis;EoE)は本邦では稀な疾患と考えられていたが,近年その報告数が増加している。当院で2010年12月から2019年1月までに人間ドックを中心として行われた上部消化管内視鏡検査にてEoEに特徴的とされる内視鏡所見及び食道上皮からの生検で好酸球浸潤(15個以上/HPF)を認め,EoE疑いと診断した症例を90例経験した。そのうち症状の有無を確認できた67例を対象とし,有症状群,無症状群に分類し臨床像,内視鏡所見を検討した。臨床像では有症状群のほうが無症状群より診断時年齢が若く,びらん性逆流性食道炎の合併を多く認めた。EoEに特徴的な内視鏡所見の比較では有症状群の方が無症状群と比較し,輪状溝が多くみられた。EoEは近年報告例が増加しており,今後胃がん検診目的の内視鏡検査でもEoEに特徴的な内視鏡所見に遭遇する機会が増加すると考えられる。その場合は不必要な生検はさけるべきであるが,EoEを念頭に置いて症状の有無を再確認し治療介入を検討すべきと思われる。</p>

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