ループス腎炎の病態と治療戦略

書誌事項

タイトル別名
  • The pathogellesis and treatinent of lupus nephritis
  • ループスジンエン ノ ビョウタイ ト チリョウ センリャク

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説明

全身性エリテマトーデス(SLE)は,血管および結合組織の全身性慢性炎症性疾患である.発症 機序としては,遺伝的素因に環境因子が加わることで免疫応答異常が生じ,免疫複合体が形成され, これら免疫複合体が組織に沈着することで臓器障害が惹起されると考えられる.ループス腎炎(LN, 本症)は最も頻度の高い臓器病変であり,成人と比較して疾患活動性も高く,予後を決定しうる因子 となる. 本稿においては,本症の発症に関連する遺伝学的素因,環境因子や免疫応答異常と免疫複合体形成過 程および腎臓への沈着後の炎症進展機序について,さらにはこれらの病態を制御するための重症度に よる層別化した治療戦略などについて現在までの知見を元に概説した.成長過程の小児における本症 の治療では,治療効果のみでなく副作用とのバランスを考慮したより適切な治療選択が望まれる.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 6 (1), 3-10, 2015

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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