岩手県の夏秋どり施設栽培ピーマンにおけるネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの発生とキュウリモザイクウイルスの発生実態

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  • Development of Neonicotinoid Resistance in the Cotton Aphid <i>Aphis gossypii</i> and Occurrence State of Cucumber Mosaic Virus in Summer/Autumn-Harvested Sweet Peppers Cultivated in Greenhouses in Iwate Prefecture

抄録

<p>岩手県内の夏秋どり施設栽培ピーマン圃場から採集したワタアブラムシ5個体群について,ネオニコチノイド剤7剤を中心とした主要な殺虫剤7系統13剤に対する薬剤感受性検定を実施した.金ケ崎町の個体群では全てのネオニコチノイド剤(イミダクロプリド水和剤,クロチアニジン水溶剤,チアメトキサム水溶剤,ジノテフラン水溶剤,ニテンピラム水溶剤,アセタミプリド水溶剤,チアクロプリド水和剤)の効果が低かった.また,奥州市Aの個体群ではアセタミプリド水溶剤,奥州市Bの個体群ではチアクロプリド水和剤の効果は認められたが,その他のネオニコチノイド剤の効果は低かった.一方,奥州市Cの個体群ではジノテフラン水溶剤,北上市の個体群ではクロチアニジン水溶剤とジノテフラン水溶剤の効果が低かったものの,その他のネオニコチノイド剤については効果あり~高い効果が認められた.金ケ崎町,奥州市Aおよび奥州市Bの3個体群の結果と,奥州市Cおよび北上市の2個体群の結果との比較から,岩手県においてネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシが発生したと考えられた.ネオニコチノイド剤以外の各剤については,奥州市Aのシアントラニリプロール水和剤と北上市のペルメトリン水和剤の効果が低かったものの,その他の薬剤は効果あり~高い効果が確認され,感受性の低下は認められなかった.ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの発生により,今後のアブラムシ類媒介性ウイルス病の増加が懸念されたため,金ケ崎町と奥州市の全ての夏秋どり施設栽培ピーマン圃場におけるキュウリモザイクウイルスの発生実態を調査した.ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの発生との相関は不明であるが,当該地域におけるピーマン栽培圃場の30.2%においてモザイク症状株の発生が確認され,圃場ごとに1株抽出して採集したモザイク葉のうち69.0%から同ウイルスが検出された.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390005506383913216
  • NII論文ID
    130007957595
  • DOI
    10.11455/kitanihon.2019.70_131
  • ISSN
    21854114
    21854149
    0368623X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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