内観療法の作用機序に関する一考察

DOI
  • 高橋 美保
    東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース

書誌事項

タイトル別名
  • A Consideration of the Therapeutic Mechanism of Naikan Therapy

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抄録

<p> 本研究では内観療法の理論化の一歩として、作用機序について仮説モデルの生成を試みた。筆者自身の内観者として、面接実習生としての経験を元に、時間軸の中で生じるプロセスの変化と、それに伴う体験の質の変化に注目して分析を行った。その結果、以下の三つのステップが得られた。Step1は【認知レベル】で生じる複眼的視点の獲得であり、そこに至る三つの要素があると考えられた。Step2は【体験レベル】で感じるポジティブな体験への気付きであり、それには三つのレベルがあると考えられた。Step3は【自己概念化レベル】で生じる全人的気付きであり、そこに至るまでに三つの段階があると考えられた。最後に、これらの3つのステップについてサイコセラピーとしての作用機序という視点から考察を加え、内観療法がサイコセラピーとなりえるポイントについて論じた。</p>

収録刊行物

  • 内観研究

    内観研究 22 (1), 47-57, 2016-09-15

    日本内観学会

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