神経性やせ症に対する治療を振り返る

  • 松林 直
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科
  • 武田 由美
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科 福岡大学内分泌・糖尿病内科
  • 松原 明弘
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科 高岡病院
  • 中武 伸元
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科
  • 荻原 莉穂
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科
  • 三坂 奈津子
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科
  • 原 健
    福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Look Back a Treatment of Anorexia Nervosa
  • シンケイセイヤセ ショウ ニ タイスル チリョウ オ フリカエル

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抄録

<p>神経性やせ症の治療において極度にやせているにもかかわらず, 食事を拒否する場合は難しさを覚える. 極度のやせと体重減少に関連した低血糖に代表されるような身体疾患の併発や廃用症候群, 食事開始に関連する再栄養症候群の存在は長期のリハビリテーションを必要とし, 治療期間が大幅に延長する. 身体合併症などのため, 他の医療機関から転院してくる場合は良好な治療関係を確立する前に入院治療をせざるを得ない. 神経性やせ症患者が 「やせ」 の外套を脱ぐために, 医療者として何ができるだろうかなど, 自問自答しながら神経性やせ症の治療をしている. 患者の多くは体重を減らすことに意味を見い出し, 「やせ」 の外套を脱ぐことに不安と恐怖を覚えている. 目標体重の設定は大切であるが, ここにこだわり過ぎると治療が膠着する場合もある. その場合は, 生活を維持することができることを目標とするなどの工夫や, 自己慈愛を得るための方策を話し合うことが必要である. </p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 61 (1), 52-56, 2021

    一般社団法人 日本心身医学会

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