クライオ電子顕微鏡単粒子解析への深層学習AI技術の応用の現状と展望

  • 守屋  俊夫
    高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 構造生物学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status and Prospects of Deep-learning-based AI Applications to Cryogenic Electron Microscopy Single Particle Analysis
  • クライオ デンシ ケンビキョウタンリュウシ カイセキ エ ノ シンソウ ガクシュウ AI ギジュツ ノ オウヨウ ノ ゲンジョウ ト テンボウ

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抄録

<p>生体高分子の近原子分解能での構造決定において,クライオ電子顕微鏡による単粒子解析法が現在急激に発展している.特に,本手法は構造のサイズ,構造の不均質性,組成の変動性のために他の構造決定手法が適用できなかった対象でも直接的な可視化を実現した.単粒子解析は画像処理ヘビーな手法であるため,多種多様なアルゴリズムが試されて既に多くの手順が自動化されており,着々とその手順のルーチン化が進んでいる.しかし,過去の構造解析経験に基づいている人の汎用的な視覚認識や総合的な判断だけは自動化することがこれまでできていなかった.ところが近年になりAI分野に革命をもたらした深層学習技術がこの状況を打破しつつある.そこで本稿では,単粒子解析の様々な処理ステップにおける深層学習技術の応用例を紹介し,その中でも全自動化が実用レベルまで達している粒子ピッキングの代表例としてcrYOLOとTopazを少し掘り下げて説明する.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 55 (3), 114-119, 2020-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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