ヒトとラットにおけるヒドロキシルラジカル消去能の概算

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  • Estimation of hydroxyl radical scavenging capacity in human and rats

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抄録

<p>クレアチニン(Cr)は、主要な内因性ヒドロキシルラジカル(•OH)スカベンジャーの1つである。ヒトとラットで、Crがどの程度•OHをスカベンジするのかについて概算し、Crと類似した作用を示すデオキシグアノシン(dG)と比較した。毎日生成する•OH量を概算するために、•OHと反応する生成物の尿中に排泄される量で評価した。そのために、我々はCrの•OHアダクトで、Cr関連代謝産物のクレアトール(CTL:5-ヒドロキシクレアチニン)とクレアトール代謝産物のメチルグアニジン(MG)、そしてCTLとMGのモル合計を用いた。ところが、よく知られている•OHマーカーの8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)は、Cr代謝産物より1,000倍も低く、取るに足らない量であった。健常人と正常ラットでは、スカベンジする•OH量は安定しており、スポット尿あるいは24時間尿では、Crは健常人で約20-25 μmole、正常ラットで約200 pmoleの•OHをスカベンジし、(CTL + MG)/Crは約2.2と3.0 mmole/moleで、0.2と0.3%のCrが、•OHをスカベンジするのに使われていた。慢性腎不全(CRF)やステージ3~5(糸球体濾過量が60 ml/min/1.73 m3以下)の慢性腎臓病(CKD)患者では、•OHレベルはCKDの重症化とともに上昇し、•OHをスカベンジするのに毎日約3%のCrを使用していた。さらに、5-ヒドロキシ-1-メチルヒダントインやマグネシウムリソスペルメイトBのような新規で内因性の、そして天然の•OHスカベンジャーは、ラットの•OH量を減少して、CRFの進展を抑制していた。</p>

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