低位鎖肛を合併したperineal grooveの6例

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タイトル別名
  • Six Cases of Perineal Groove Concomitant With Low-Type Anorectal Malformations
  • テイイ サコウ オ ガッペイ シタ perineal groove ノ 6レイ

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説明

<p>【目的】perineal grooveは,後交連から肛門前縁の会陰全長にわたる赤色の湿潤した上皮を有する溝を特徴とし,Stephensらは発生学的に女児のみに見られる稀な直腸肛門奇形に分類した.これまで報告例が少なく十分な理解がなされていない疾患であったが,近年,部分型症例や男児例などStephensの分類と必ずしも一致しない症例が報告されている.当科では低位鎖肛に合併したperineal grooveの症例を6例経験したため,その臨床像について検討した.</p><p>【方法】当科で手術を施行した直腸肛門奇形の患児175例を対象とした.診療録をもとにperineal grooveの有無を確認し,治療経過について後方視的検討をおこなった.</p><p>【結果】7例(4.0%)にperineal grooveを認め,全例女児であった.うち6例で,肛門の前方開口・瘻孔様外観,外括約筋分布とのズレを認め低位鎖肛合併と診断し,肛門形成術施行時に粘膜切除を施行した.</p><p>【結論】最近の報告例の集積および発生学的な検討から,perineal groove症例では肛門外観や位置異常の有無など非典型例の存在を念頭に診察する必要があると考えられる.低位鎖肛の合併が明らかな例では鎖肛の治療適応に従って加療する.肛門位置異常のないperineal groove症例に対しては,一定の経過観察期間をおいたうえで判断すべきではあるが,grooveが深いままで上皮化が期待できない場合は手術を考慮してもよいと考える.粘膜部に対する手術の適否や適切な手術時期に関しては,今後の症例の蓄積による検討を要する.</p>

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