副甲状腺癌3例の検討-臨床診断と病理診断の不一致について

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of 3 cases parathyroid cancer - Disagreement between clinical and pathological diagnosis
  • フクコウジョウセン ガン 3レイ ノ ケントウ : リンショウ シンダン ト ビョウリ シンダン ノ フイッチ ニ ツイテ

この論文をさがす

抄録

<p>副甲状腺癌は稀少疾患であり術前診断がむずかしい場合もある。最終診断が副甲状腺癌であった3例の臨床所見と術後病理診断の検討を行った。症例1は40歳代女性,尿路結石発症時に高カルシウム(Ca)血症とインタクトPTH(iPTH)高値を指摘された。頸部腫瘤は触知せず,超音波検査で甲状腺右葉下極に腫瘤を認めた。副甲状腺腺腫の診断で右下副甲状腺摘出術を施行後病理診断で副甲状腺癌と診断された。症例2は60歳代女性,数年来の関節痛,易骨折性があった。左頸部に腫瘤を触知し,超音波検査で左副甲状腺腫大を認め,高Ca血症とiPTH高値より副甲状腺癌を疑い甲状腺葉峡部切除+左副甲状腺摘除術を行ったが病理診断は副甲状腺腺腫であった。6年後高Ca血症と肺転移を認めたため病理再検を行い副甲状腺癌に診断が変更された。症例3は20歳代男性,左大腿骨骨折の保存的加療時に骨塩量低下を指摘された。左頸部に腫瘤を触知し,高Ca血症とiPTH高値より副甲状腺癌を疑い甲状腺左葉+左副甲状腺摘出術を行った。病理診断は副甲状腺癌であった。3例のうち術前の臨床診断が術後初回病理診断と一致したのは1例のみであった。原発性副甲状腺機能亢進症は,術前後の臨床・画像所見を参考に病理学的診断することが重要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ