地域在宅高齢者における食品摂取多様性の加齢変化パターンとその関連要因

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タイトル別名
  • Trajectories of Dietary Variety Score among community-dwelling older Japanese and their related factors
  • チイキ ザイタク コウレイシャ ニ オケル ショクヒン セッシュ タヨウセイ ノ カレイヘンカ パターン ト ソノ カンレン ヨウイン

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説明

<p>目的:在宅高齢者における食品摂取の多様性得点(DVS)の加齢変化パターンを類型化し,その関連要因を検討する.方法:対象は,群馬県草津町で2012~17年に実施した高齢者健診を一度でも受診した1,195名である.食品摂取多様性はDVSにより評価し,混合軌跡モデリングにより65~90歳の加齢変化パターンを検討した.DVSの加齢変化パターンの関連要因の検討は,多項ロジスティック回帰分析を用い,従属変数はDVSの加齢変化パターンのうち該当者の割合が最も高い中推移群を基準とし,説明変数は性,年齢,家族構成,教育年数,BMI,主観的咀嚼能力,TMIG-IC,GDS-15,MMSE,喫煙,飲酒,既往歴(高血圧,脂質異常症,糖尿病,脳卒中)とした.結果:DVSの加齢変化パターン及び該当率は,高推移群16.6%,中推移群44.5%,低推移群38.8%であった.DVSの加齢変化パターンの関連要因として抽出された変数は,DVS中推移群に比した低推移群の調整オッズ比(95%信頼区間)では,主観的咀嚼能力(全く噛めない)2.69(1.02~7.08),GDS-15 1.11(1.06~1.17),現在喫煙1.76(1.14~2.73),過去喫煙1.70(1.19~2.43)であった.一方,中推移群に比した高推移群の調整オッズ比では,男性0.61(0.37~1.00)年齢1.04(1.01~1.07),主観的咀嚼能力(噛みにくいものがある)0.58(0.38~0.89),GDS-15 0.88(0.82~0.96),高血圧既往有り0.55(0.37~0.83)であった.結論:在宅高齢者のDVSの加齢変化パターンは3つに類型化されることが明らかになった.食品摂取の質をより高く保つためには,主観的咀嚼能力,抑うつ状態等の精神的健康に加え,生活習慣病のリスクである高血圧の管理や,喫煙等の生活習慣にも留意すべきであることが示された.</p>

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