浸潤は粘膜内に留まっているもリンパ節転移を認めた盲腸癌の1例

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  • A Case of Cecal Cancer with Lymph Node Metastasis Despite Infiltration Limited to the Mucosa

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抄録

<p>症例は71歳,女性.数カ月前より時々排便時出血を認めるため近医受診,消化管精査目的で当院紹介となった.下部消化管内視鏡検査で進行直腸癌を指摘,さらに腹部CT検査にて回盲部に腫瘤を認め,直腸切除術と同時に回盲部切除術も施行した.回盲部の腫瘤は盲腸に亜有茎性ポリープとして認め,ヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色)による通常の病理検索では深達度pTisであったが所属リンパ節転移を認めるとの診断であった.D2-40免疫染色と追加切り出しによる再検討の結果,腫瘍の最深部は粘膜内に留まっているものの粘膜固有層と粘膜下層に脈管侵襲を認め,最終病理組織学的診断はpT1a(Ly)-M,ly1となった.通常病理検査ではTis癌と診断されてもT1癌の可能性もあり,内視鏡的切除でTis癌とされても症例によってはD2-40免疫染色や多数切片作成による詳細な検討が必要であると思われた.</p>

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