ヒトiPS細胞を用いた中枢神経系の安全性評価

書誌事項

タイトル別名
  • Current challenges and future perspectives of iPSC-based neurotoxicity testing
  • 創薬シリーズ(8)創薬研究の新潮流(44)ヒトiPS細胞を用いた中枢神経系の安全性評価
  • ソウヤク シリーズ(8)ソウヤク ケンキュウ ノ シン チョウリュウ(44)ヒト iPS サイボウ オ モチイタ チュウスウ シンケイケイ ノ アンゼンセイ ヒョウカ

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説明

<p>中枢性神経系の副作用は,新薬の開発中止や上市した医薬品の市場撤退につながるため,適切に予測することが重要である.これまでに主に動物を用いた方法が検討されてきたが,いまだにヒトの中枢性副作用に対する予測性は高くない.また,動物実験は多大な労力とコストを要するため,スクリーニング性の問題なども挙げられる.これらの問題を解決するため,in vitro評価法の開発が進んでおり,新しい科学技術(new approach methodology:NAM)の利用が検討されている.特に,ヒトiPS細胞はヒトのデータや情報が得られるために期待が大きく,すでに心毒性評価への応用が先行しているが,神経毒性に関しても,これまでに蓄積された基礎研究および動物データを基にして,新たな毒性予測法が開発されつつある.また,化学物質の発達期における神経毒性評価に対してもヒトiPS細胞やin silicoなどの利用が進められており,経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)ではガイダンスの作成が進行中である.そこで本総説ではこれらの国際動向も踏まえて,中枢神経系の安全性評価法の潮流を概説したい.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 156 (2), 107-113, 2021

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (23)*注記

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