P-1-F17 静岡県西部地区における診療所の重症心身障害児者への関わりの地域差について

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  • −厚生労働省モデル事業 アンケート結果より−

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抄録

はじめに 重症心身障害児者が、在宅で生活していく上では、医療、福祉、教育、行政などさまざまな資源の活用が必要である。医療分野では、病院の関わりだけでなく診療所の関わりが必要不可欠であると考えられる。今回われわれは、静岡県西部地区の診療所へ行ったアンケート調査から、重症心身障害児者への診療所の関わりの地域差について検討した。 結果 静岡県西部地区、中東遠地区の無床診療所767件へ送付し、242件の回答を得た(回収率31.6%)。重症心身障害児者の診療の経験の有無については、浜松市80件(51.9%)、磐田市19件(55.9%)、掛川市9件(64.3%)、菊川市5件(71.4%)、湖西市4件(44.4%)、袋井市9件(50%)、御前崎市・森町0件であった。今後重症心身障害児医療に関わることができるかどうかについて可能と回答した診療所は、浜松市66件(42.9%)、磐田市19件(55.9%)、掛川市7件(50.0%)、菊川市5件(71.4%)、湖西市2件(22.2%)、袋井市7件(38.9%)、御前崎市・森町0件であった。 考察 静岡県西部地区・中東遠地区の中でも、また浜松市の中だけでも地域差が見られた。総合病院の分布にも差があり、地域によっては総合病院と患者との関わりが強く、診療所の関わりが少ないと考えられた。他方で別の地域では、基幹病院と連携しており多くの診療所で関わることが可能という返答が得られた。 結語 さまざまな地域で重症心身障害児者の医療における病院と診療所の連携が模索されているが、医療資源の差などからその地域にあった方策を行っていかなければならない。医療資源の地域特性を把握した上で、適切な連携の仕方を地域で協議していくことが必要と考えられる。

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