肘部管症候群に対する単純除圧術の治療成績と再手術例の検討

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タイトル別名
  • Evaluation of Treatment results and Recurrent cases After Simple Decompression for Cubital Tunnel Syndrome

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単純除圧術の成績を明らかにし再手術例の原因を検討した.対象は単純除圧術を施行した57例58肘で男性45例,女性12例,年齢は15~82歳,術後観察期間は3~30か月であった.対象症例について,1)内在筋(小指外転筋)筋力と握力の変化,2)しびれ改善の有無,3)Messina基準による術後成績,5)再発頻度,6)手術時所見,を後ろ向きに調査した.また,再手術時の術中所見から再発の原因を明らかにし,初回手術時の留意点を検討した.術後しびれの改善を90%に認めたが,症状改善後の再発を7%に認めた.初回手術時に滑車上肘筋を切除した5肘中3肘で再発し,長期経過後の再発は活動性の高い症例であったが,早期再発例は著明な瘢痕増生による神経圧迫が原因であった.特に広範な滑車上肘筋切除後は瘢痕や癒着による尺骨神経障害が生じる可能性があり,初回手術時に前方移動術も検討すべきである.

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