施設内で唾液誤嚥防止目的のスピーチバルブをより安全に使用するために
書誌事項
- タイトル別名
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- Safer use of speech valves for preventing aspiration on saliva in institutions:
- Case study showing methods and results in an institution.
- −症例を通しての施設内での導入方法と効果−
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説明
唾液の気管内流入のため頻回の気管内吸引を要する単純気管切開を行っている者(以下、単純気管切開者)に、スピーチバルブ(以下、SV)を装着することで、気管内流入が減少することが報告されている。われわれは施設入所中の単純気管切開者1名にSV装着を実施し以下の結果を得た。①経皮動脈血酸素飽和度の上昇と安定が得られた。 ②一日尿量が増加した。これは唾液の気管内流入および気管内吸引量の減少の結果と推察された。③家族や病棟職員への調査では、緊張が減り笑顔が増え発声を聞くことができるようになりコミュニケーションが促進されたという意見が多く、対象者のQOLの向上が示唆された。しかし、気管内の唾液流入防止効果は完全ではなく、SV装着時も十分な排痰ケアと呼吸状態の観察が必要となることが示唆された。側孔のない気管カニューレに対して、機序の理解が不十分な状態でSVを使用することは危険であるが、病棟職員教育や意見交換を行うことで、施設内でも安全に使用することは可能であり、対象者のQOLの向上に有効であると考えた。
収録刊行物
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- 日本重症心身障害学会誌
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日本重症心身障害学会誌 39 (3), 467-475, 2014
日本重症心身障害学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390005910387640576
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- NII論文ID
- 130008000114
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- ISSN
- 24337307
- 13431439
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可