アレルギーと概日時計

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  • Clockwork Allergy: how circadian clock underpins allergic reaction

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抄録

<p>著者らは,生命活動の約24時間周期性(概日性)のリズムを司る概日時計(時計遺伝子)が,マスト細胞の高親和性IgE受容体(FcεRI)の発現を時間依存的に制御し,アレルゲンによるマスト細胞活性化反応(I型アレルギー)に昼夜の日内変動を生みだしていることを明らかにした.I型アレルギーは花粉症や喘息などのアレルギー疾患の主たる病態であり,この制御機構によってアレルギー疾患の症状は1日のある特定の時間帯(主に休息期)に起こりやすくなると考えられる.実際,ストレスや不規則な食事摂取のタイミングといった概日時計を乱す生活習慣は,I型アレルギー反応の時間依存性を消失させる.またアレルギー疾患の主な治療薬(副腎皮質ホルモン,β2アゴニスト,テオフィリン等)の標的は概日時計に制御されるリズム性発現を示す遺伝子である.これらの知見は,アレルギー反応と概日時計は極めて密接な関係にあることを示している.よってこの関係を考慮することは,より良いアレルギー診療を実現するために不可欠である.</p>

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参考文献 (19)*注記

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