指先による布を介した対象布の認知に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Recognition of Objective Fabric through a Fabric by a Fingertip
  • ユビサキ ニ ヨル ヌノ オ カイシタ タイショウフ ノ ニンチ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p>本研究は,指先が1 枚の布を介してもう一方の布を感じることができるか否かについて検討したものである. 試料には性状の異なる13 種類の布を選択した.これら試料を種々組み合わせて,タッチ試験,スライド試験,タッチ・サック試験の3 つの方法で,布を介して対象布を認知できるかを2 点比較法により官能検査を行った. その結果,布の特性としては,布厚さ,圧縮特性,表面特性と二枚の布の組み合わせ効果が,布の認知に影響した.検査法としては,タッチ・サック試験はこれらの検査法の中で最も対象布を認知しにくい傾向にあり,タッチ試験,スライド試験の順に対象布を認知しやすくなることが示された. 圧縮特性,表面特性などの生地データを説明変数として,対象布を認知できるグループ(G1),認知できないグループ(G2),どちらともいえないグループ(G3)の3 グループで判別分析を行った.分析により,良好な判別式を導入することができた.分析結果から対象布を認知するうえで重要な変数は,2 枚の布の厚さとそのバランス,対象布の圧縮仕事量(WC),SMD およびその凹凸波形から得られたパワースペクトルのピークに対応する波長であることも明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 繊維製品消費科学

    繊維製品消費科学 62 (3), 200-209, 2021-03-25

    一般社団法人 日本繊維製品消費科学会

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