便失禁診療における肛門管超音波検査の有用性

  • 錦織 英知
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 高野 正太
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 田渕 聡
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 伊禮 靖苗
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 濱田 博隆
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 桑原 大作
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 深見 賢作
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 中村 寧
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 久野 三朗
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 辻 順行
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 山田 一隆
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院
  • 高野 正博
    社会医療法人社団高野会大腸肛門病センター高野病院

書誌事項

タイトル別名
  • The Clinical Efficacy of Endoanal Ultrasonography in Patients with Fecal Incontinence

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抄録

<p>今回,われわれは便失禁診療における肛門管超音波検査(EAUS)の有用性を検証するため,女性196人を対象にEAUSを用いて下部肛門管での内・外肛門括約筋,連合縦走筋(IAS,EAS,LM)の厚み,括約筋断裂の有無を確認し,肛門内圧検査やCCFISとの関係性や加齢性変化について後方視的に検証した.</p><p>IAS厚みと最大静止圧(MRP)に相関関係を認めなかったが,IAS断裂群はIAS断裂無し群に比べMRPが有意に低値,便失禁回数は有意に多くCCFISは有意に高かった.加齢性変化については,非失禁群94人において65歳以上群は65歳未満群に比べ,IASが有意に厚く年齢とIAS厚みに正の相関関係を認めた.便失禁診療において,EAUS括約筋の厚みは症状やMRPと関連しない一方で,括約筋断裂の形態異常および加齢性変化の特徴は便失禁の臨床的評価およびその後の治療方針を定める一助になると考えられる.</p>

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